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#15 金子みすゞ「花のたましい」の英訳

 皆さん、こんにちは。あと一週間でゴールデンウイークですね。皆さんは出かける予定がありますでしょうか。私は友達の誘いで久しぶりに家族と一緒に日光に行ってきます!(来週はレッスンとWeekly Letter をお休みさせていただきます。)

 さて、今回Amy’s Weekly Letter 第15号では金子みすゞ詩の英訳の最終回をお届けいたします。最終回に選んだ詩は「花のたましい」です。

 まずは日本語原文をどうぞ。

花のたましい

散ったお花のたましいは
み仏さまの花ぞのに、
ひとつ残らず生まれるの。

だって、お花はやさしくて、
おてんとさまが呼ぶときに、
ぱっとひらいて、ほほえんで、
蝶々にあまい蜜をやり、
人にゃ匂いをみなくれて、

風がおいでとよぶときに、
やはりすなおについてゆき、

なきがらさえも、ままごとの
御飯になってくれるから。

 この詩を読むと、皆さんはどんなお花を想像されたのでしょうか。私は何となく桜の様子を思い浮かべました。つい最近満開の姿を見せた後、2~3週間だけで風と共に完全に散ってしまいました。まさに、「おてんとうさまが呼ぶときにぱっとひらいて、ほほえんで」、「風邪がおいでと呼ぶときに、すなおについてゆき」ですね。

 さて、この詩を英語に訳したらどんな感じになるのかな。

Flower’s spirit

(by Misuzu Kaneko, English translated by Amy)

The spirit of the scattered flowers is
born in the garden of the Buddha.
Every single flower, every single petal.

Why? It’s because flowers are kind.
When they are called by the divine,
they popped open their eyes and smile.
They give sweet honey to the butterflies,
and provide human with smell that is very nice.

And when the wind calls, they don’t mind
following him, no deny or cry.

Even after their goodbye,
they become the rice
when we play house nearby.

 今回の詩の英訳はかなり、言葉の遊びをしました。詩のリズムもそうですが、2段落目からは /ai/ の音を、意図的に重ねてきました。原文の日本語から少し意味が離れるところもありますが、こっちの方が詩(うた)らしくていいなと思いました(勝手に)。

 以下は英訳の解説です。今回、「たまし」はspiritにしました。別にsoulでも構いませんが、2月の時に「魂の約束」でPromise of the Soul を使いましたので、今回は spirit を選びました。「散った花」はscattered flowersです。(動詞のscatterは散乱する、散る意味。)

 petal (noun): 花びら。日本語原文には登場していませんでしたが、1段落目の言葉のリズムと音を整えるために加えました。

 「だって」はなかなか訳すのが難しいですね。ここでは「Why? It’s because…」にしました。「なぜならば」みたいな感覚です。

 「ぱっと開く」はpop openです。いきなり、急いで、勢いの様子を表すときにpopを使います。インターネットで記事を読んでいるとき、いきなり画面に広告が出てくる経験はありませんでしょうか。その、いきなり出てきた広告のことを、「pop-up]と言います。

 最後の段落、日本語には「なきがら(亡骸)」でしたが、これを最初にdead body, またはcorpse(死体)に訳しました。しかし、なんかしっくりこないなと思って筆が止まりました(正確にはキーボードを打つのを止めました)。それで一旦そこから離れて、訳した英語を最初から読み返しました。そうすると、最後の段落に来たら、「goodbye」という単語が頭にpop upしました(笑)。それの次に「rice」(ごはん)と「nearby」(近くの)が出てきて、これでは/ai/の音遊びのつづきができると思い、即採用しました。おままごとは英語でplay houseというのです。

Flower’s spirit

(by Misuzu Kaneko, English translated by Amy)

The spirit of the scattered flowers is
born in the garden of the Buddha.
Every single flower, every single petal.

Why? It’s because flowers are kind.
When they are called by the divine,
they popped open their eyes and smile.
They give sweet honey to the butterflies,
and provide human with smell that is very nice.

And when the wind calls, they don’t mind
following him, no deny or cry.

Even after their goodbye,
they become the rice
when we play house nearby.

 詩の英訳は一人の作業ですが、頭の中に言葉と表現、音とリズム、色々模索し、あれとこれを繋げてみて、時には自分に対話し、お互いに(訳した自分と訳したものを読んだ自分)しっくりくるものを探します。難しいですが、とても楽しいです。

 それではAmy’s Weekly Letterでの金子みすゞ英訳はこれで終わります。来月は新しいテーマに取り組みますので、どうぞお楽しみに♪

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P/s: 先週のa/an/the冠詞のチャレンジ、いかがだったでしょうか。以下は正解です。

  1. Are these the pencils you want?

「これらはあなたの欲しがっている鉛筆ですか?」 あなたの欲しがっている鉛筆は特定のものなので、the pencilsです。

2. Whales are the biggest animals in the world.

 比較の最上級biggestはtheを使います。

3. I’ve got a dog and two cats. The dog is very smart.

最初の犬一匹と猫二匹は不特定のものなので、a dog。次に、「その犬はとても賢い」は特定の犬のため、the dogです。

4. I saw an insect flying in my room. The insect was a mosquito. (上と同様)

5. I wrote her number on the back of this sheet. 

紙sheetの裏backは一つのものしかないので、the backです。

6. I want an orange from the tree.

 これは少し難しかったかもしれません。「あの木から一つのオレンジが欲しい」という意味です。a treeですと、この文の意味が成り立ちません。

7. Madrid is a big city. It’s the capital of Spain. 

「マドリードは大都市の一つである。それはスペインの首都だ」 スペインの首都は一つしかないので、the capitalです。

8. Please help yourself! The fruit is on the table and the water is in the fridge.

 これも少し難しいかもしれませんね。help yourselfは自分で好きなようにものを取ってくださいとの意味です。おそらく誰かの家を訪問していて、家の人からゲストに言った言葉です。手でもの(果物やお水)を指しながら言っている様子を思い浮かべればtheは理解しやすいかもしれません。

9. I’ve got an idea. Let’s go to the cinema!

「一つのアイデアがある。映画館に行こう!」 どの映画館に行くかは決まっていませんが、go to the cinemaは決まったフレーズなので、そのまま覚えておきましょう。

10. I woke up in the middle of the night.

「夜の最中に目を覚めた。」 これもthe middleとthe nightはフレーズのように覚えましょう。

 それでは、また5月のAmy’s Weekly Letterでお会いしましょう。Bye bye for now!

P/s 2: Online private lessonは以下のボタンからご予約いただけます。初回無料ですので、どうぞお気軽にご利用ください。

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